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2024-07-20 16:48

♯16「自給自足が教えてくれためんどくささの美学」

~糸島シェアハウス、ちはるさんとこういち君~

東日本大震災を機に関東から糸島市に移住し、田んぼや畑、狩猟などをしながら自給自足の生活をしている。

ビジネスライクに関わろうと思うとお金を介せば知らない人にお願いしたりするのは簡単であっという間に物事が進んでいくが、田舎だと何かを頼めるようになるまでコミュニケーションを積み重ねていかなければならず非常に時間がかかる。また、お金で解決できないことが多い。

そういった「めんどくさい」やり取りが田舎暮らしでは多いが、時間をかけて作る関係性であったり、一から作物を作るようなめんどくさいことに対する美学が今のライフスタイルの先にあるような気がするというお話。

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さあ始まりました、タダの箱庭ラジヲ。本屋では買えず増冊もされない、読み手から読み手へとギフトされる1万冊の箱庭本について、今回もお話ししていきたいと思います。
ご紹介するのは、糸島シェアハウスの千春さんと康一くんのお話。タイトルは、「自給自足が教えてくれためんどくささの美学」ということなんですが、
まず先に、糸島シェアハウスの千春さんと康一くんについてご紹介したいと思うんですが、
2人は東日本大震災のきっかけに関東から福岡県の糸島市に移住して、食べ物、お金、エネルギーを作るというテーマの糸島シェアハウスというシェアハウスを運営しています。
2013年にスタートしてもはや10年目ですかね。そこで田んぼや畑、狩猟なんかをやりながら自分たちの手で暮らしを作っているご夫婦です。
そんな2人に東日本大震災を機に暮らしを自分たちで作り始めたということなんですが、なぜそういう考えに至ったかということをお聞きしたんですが、千春さんは震災のときは横浜に住んでいたそうです。
お金を持っていても、そういう災害時、いざというときにほとんどお金が役に立たないということを当時痛感したそうです。
例えば買い物に行っても買い占められていて買うものがなかったり、電気代を払っていても停電で電気が使えなくなっちゃって、冷蔵庫の中のものが全部溶けて食べれなくなっちゃったとか。
いわゆる街での暮らしシステムというものにとても依存していたんだなということを実感したのをきっかけに、災害が起こっても自分たちで暮らしを作れるような力を身につけたいということで、
糸島に移住して糸島シェアハウスを始めたそうです。
実際にお二人がどのような暮らしをしているのかというふうにお聞きしたんですが、田んぼをやっているので1年分のお米はだいたい自給できているそうです。
そしてソーラーパネルの太陽光発電機を設置して、天気のいい日はそれなりに電気も自給していて、そして野菜とかも自分で自給したり、地元の地域の方にもらったりということもあるそうですが、ないものは普通に買ったりもしていて、
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あと鶏も飼っているので卵を自給していたり、あとお肉は千春さん狩猟系女子の元祖というか、本も出版されていて、女性で狩猟を始めた本当にパイオニアだったんですが、
なので実際にお肉を狩猟して獲ったものを食べたりというところで、誤解をないように伝えておくと、お金を使わない暮らしというのは別に目指しているわけではなく、自分たちの手で暮らしを作っていくという、そういったことをしたいという中で生活されています。
実際に狩猟っていうのってなかなか一般の人はやったことがないと思うんですが、僕自身ですね、イノシシだったりとかっていう狩猟をちょっと手伝わせてもらったりということもあるんですが、すごいんですよやっぱり。
あんだけ大きな生き物をですね、しかも野生のものを、僕の体験だったときはですね、罠にハマったイノシシを最後とどめを刺して解体してっていう作業だったんですけど、すごいなんていうかですね。
なかなか恐怖みたいなものがやっぱり一番強かったかな。
そんなですね、千春さんも最初の狩猟は2014年っていうふうに教えてくれました。
お手伝い自体はその前からしていたそうですが、自分が主体となってですね、自分の責任において狩猟したのは糸島に来てからというところで、最初初めて鳥をさばいたっていう話を聞いたんですが、彼女もやっぱその恐怖っていう感覚がすごく大きかったというふうに言ってました。
その恐怖っていうものがですね、どういうものというか何に対しての恐怖だったかといったときなんですが、なんか彼女の恐怖は取り返しのつかないことをしてしまったという、そんな恐怖だったというふうに教えてくれました。
自分が殺してしまった、さっきまで生きていた生き物が自分の手によって殺してしまった。
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これがもう二度と元に戻ることはないという、そんな恐ろしさを一番に感じたというふうに言っていました。
面白かったのがですね、命の重さに対してごめんねというか、そういった感覚がよく体験がしたことがない方って感じるんだろうなって思うと思うんですよ。
食べるためとはいえ。ただそういう気持ちは、その瞬間はあまりなかったというふうに振り返っていて、たぶんですね、小池さんもごめんねっていう気持ちは、自分が圧倒的な優位な場所というか立場で安全なところにいるからこそ言える言葉なんじゃないかなと自身の体験から語ってくれました。
つまり、猪とか大きな獣を狩猟するときっていうのは、もちろん罠が外れてしまったりとか、追っている最中に自分の方に向かってきてっていう、いわゆる自分も命を落としかねないという中では、
ごめんねという感情はリアルには、それよりも本当に命を取るか取られるかぐらいのそんな緊張感の中で、いわゆる命のつながりみたいなことにダイレクトに触れるっていう体験をされたそうです。
そんな、いわゆる自給自足的な暮らしの中で感じるのが、圧倒的な命のパワーみたいなものを感じるというふうに言ってました。
もちろん狩猟みたいなこともそうなんですけど、例えば田んぼでお米を育てるとかっていったときにもですね、種から芽が出るときとか、その植物からまた種が生まれて、
そしてそれを採取してまた次の年につなげるみたいな、そういった命の循環というか、生命力みたいなものに日々圧倒されていると。
そしてそこから自分が生きているというリアルな生というものを感じているような暮らしだと教えてくれました。
そしてタイトルにもあるんですけど、めんどくささの美学というところで、実際にここ数十年というか、ここ最近はやっぱり都市型の暮らしに憧れて地方からどんどん都市型の暮らしに移行していったところから、
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反発じゃないですけど、逆にですね、都会から自給自足とか田舎暮らしに憧れて地方に移住してくる方も増えているというふうに思うんですけど、
この時ですね、やっぱり二人もですね、気をつけなきゃいけないというか、ここら辺分かっておいた方がいいなという話ってありますかというかですね、お金が絡んでもやもやしたことありますかという話を聞いたので、
そんな中でお話していただいた話が面白くてですね、いわゆる田舎暮らしと都会暮らしの違いみたいなところって、ビジネスライクな関係って都会暮らしでは当たり前というか、
何かして欲しかったらいくら払うんで誰かやってくれませんかみたいな感じでとか、物も野菜もあらゆるものが値段が張ってあるので、それを払えさえすれば、行ったら全く知らない人とも関係性というかですね、コミュニケーションを取ることができると。
ただ田舎暮らしはダイレクトにそことの違いを感じるというふうに言ってました。
例えばですね、田舎でお金を返さずに例えば家作りを手伝ってもらったり畑仕事をですね、教えてもらうとかいったときに、やっぱりそれをしてもらうにもまずは関係性の構築が大事で、こういったものを頼めるようになるのにも数年かかると。
でも都会だとね、お金払えばすぐにでもそういった関係性が生まれるので、あっという間に物事が進んでいく。やっぱりお金があるやり取りっていうのはすごい合理的で、時短になると。
そんなスピード感があることはいいこともあるけど、田舎暮らしをしていく中でそんなに早く進めちゃっていいのかなという場面も多々あると。
それがどういうことかというとですね、例えば田舎暮らしっていうところで言うとお金だけでは解決できない部分がいっぱいあるというふうに教えてくれていて、都会だったらお金払ってるからいいでしょうみたいな態度が一般的というかあると思うんですよ、そういう感覚が。
でも田舎の集落で、例えば道沿いの草刈りみたいな美化作業っていうものだったり、奉仕作業っていうような仕事が、いわゆるボランティアで自分たちの住んでいる町や村の景観を整えたりとか、そういった行事とまではないんですけどね、作業みたいなものがあるわけです。
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地方でもやっぱり第一産業からサービス産業というかお勤めする方も増えているみたいで、今までは本当にそういった奉仕作業っていうのは自分の仕事を二の次に絶対みんなが参加するような美化作業とかそういった祭りごとみたいなこととかも参加してたそうなんですけど、
会社勤めの人も田舎でも増えていて、そこで生まれたのが、出れない人は代わりにお金を納めるみたいな仕組みとかも近年生まれているそうなんですよ。
ただそれを、いわゆる都会の感覚でお金払う、ちょっと忙しいのでお金払っておきますみたいな感じで、いわゆるお金払ってるからいいんでしょうぐらいの感じでそれをしてしまうとあっという間に信頼なくしますよというふうに教えてくれました。
これ確かに勘違いしてる人がすごい多い気がしていて、いわゆる都会から田舎に憧れて田舎暮らしとか始める方はぜひ覚えておいてほしいんですけど、これっていわゆるお金を払えば出なくていいっていう仕組みではないんですよ。
いわゆる参加できなかったことですごい関係性が悪くなってしまうんですよ。
いわゆるみんなで何かをするっていう共同作業っていうものが、いわゆるコミュニティの一体感とか関係性、信頼関係っていうものを築いていくすごい大事なコミュニケーションなんですよ。
なのでちょっとめんどくさいからお金払ってパスしますみたいなふうに感じちゃうと、これすごいずれちゃうんですよね。
なので参加できずに本当に申し訳なかったです。
これ皆さんで作業の後に飲んでくださいみたいな感じでビールを差し入れするとか栄養ドリンクを差し入れするとか。
その日に参加できないからといってそれで終わらすんではなく、前後で自分がその時間自分が一人でやれるときにやっておくみたいな、そういった態度が大事というか。
お金で処理できないいわゆる関係性というか、そういう文化もあるというふうに2人も話していて。
こういった感覚ってすごいちょっと田舎と都会での関係性というかそういったところにも大きな差があるような感じがしていて。
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どっちがいいか悪いかっていうことではないというか、それぞれにこれ何ていうか長所もあればデメリットもあるような話だと思うんですけど。
そんないわゆるめんどくさいやりとりが多いわけです。田舎暮らしはですね。
自給自足も一から野菜を育てて作っていってっていうことがあるので、そういっためんどくさいことばかりなんですが、
ただ2人はですね、そんな自給自足的な暮らし、田舎暮らしの中で時間をかけて作る関係性だったり、
一から種から育てて収穫して次の年につなげる喜びだったり、いわゆるめんどくささの先にある価値というか。
そんな美学がいわゆる自給自足や地域、田舎暮らしのですね、そんなライフスタイルの先にあるような気がして、
今日も丁寧な暮らしをしているというふうに教えてくれました。
なかなか深い話だなと思って聞かせていただきました。
はい、ということで今回は糸島シェアハウス、千春さんと小市くんの自給自足が教えてくれためんどくささの美学を紹介させていただきました。
本日もありがとうございました。
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